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更新日:1月6日(本日の製作状況を更新)
告知
私が原型を担当した特撮リボルテックシリーズNo.18クイーンエイリアン、No.19ラドン、No.32レギオン、スピンオフ・G2ガメラ、No.33 G2ガメラ、No.38バンブルビー、No.42アイアンマン・マーク7、No.45アイアンマンマーク1、No.49アイアンマンマーク42が海洋堂から発売中です。また、東京タワーの原型を担当した「カプセルフィギュアコレクション・東京ランドマーク(全5種)も東京スカイツリー限定で発売中です。カプセルQキャラクターズ、エイリアンフィギュアアンソロジー、アイアンマンアーマーコレクションも発売中です。
現在、東宝(株)関連の一般版権商品については、こちらでの販売は休止しております。一部商品については大阪のGILLGILLに在庫があるようなので、お求めの方はそちらでご購入ください。
本日の製作状況
あけましておめでとうございます。去年は半死半生状態で、造形においてはかなりの役立たずっぷりだったのですが、今後しばらくは調子が悪くなる事は無く、よくなる一方のはずなので応援宜しくお願い致します。
とりあえず病院のおかげで酷い目にあった者として皆様には言っておきたい事は、セカンドオピニオンは重要だと言う事と、どんな簡単な手術でもリスクはあるので、ちゃんと実績のある病院を選びましょう。なにかあっても100%取り戻す事は絶対に不可能なので。
まあそれはさておき、1月1日に特撮リボルテックの新作、No.49アイアンマン・マーク42が発売になりました。今回はコイツの紹介と最近のフィギュア開発の状況なんかをお話したいと思います。
さて、すでに他の様々なサイトで製品のレヴューは行われているので、ここでは少し手を加えた作例を紹介したいと思います。実際のアイアンマン・マーク42スーツは金の部分がマットな部分とピカピカに磨き上げられた部分とに分かれていますが、これにはその再現がなされていません。
そこで、すこし色味は異なるのですが、ピカピカな部分をハセガワから発売されているゴールドミラーフィニッシュを使って再現してみました。(胸の上の部分は少しうるさかったので、アレンジしてあります。)
塗り分けがされていないのは、ただでさえ細かく塗り分けられているのに、つや有りとつや消しくらいしか差の無い部分を塗り分けるとエラーの判別がしにくい為とか生産時間の圧縮と言うのが主な理由だそうです。
今回は従来の製品に比べ塗装用マスクを使いまくっているので、どこか1か所塗り間違いが起これば多くの行程をかけたパーツがパーになるわけで製品管理はいつもより大変なのでしょう。塗り重ねれば塗膜も厚くなりますし。
リアクター部分はクリア成型なので、今回から表側ではなく裏から塗装してディティールを浮き上がらせるように提案して採用されたのですが、いかがでしょうか?
マーク1、マーク7は一応リアクター発光させる事も可能な仕様で原型を完成させたのですが、今回はそれよりもプロポーションを優先して進めたため、そのままではマーク2・3付属の発光ユニットは入りません。
なので、光らせるにはLEDと3vのボタン電池を用意して裏側に貼付ける形で光らせてみました。
製作開始はマーク1の後になるのですが、入退院の間に少しずつ進めて、完成までには半年くらいかかっており、デザイン自体は一昨年の7月のコミコンで発表されていたので、五体満足なら映画公開に発売を間に合わせる事も可能だったので、それが残念な所ですねぇ。
製作期間中、リボルテックアイアンマンマーク5が発売された為、その構成も参考にしています。
つま先可動はマーク5ではすこし緩過ぎて立たせる時に具合が悪いので、軸を太くして仕込みましたが、やはり立たせるにはまだ少し難有りと言った所ですね。ポージングにおいては可動は有った方が良いのですが。
前回マーク7の製作においては、とりあえずマーク3の仕様にそろえる形で製作したのですが、今回はあまり効果的でない部分は整理して、シンプルで動かし易くまとめるように努めました。
また、軟質部分は経時劣化が出たりする事もあるので、個人的にはなるべく使用したくない所ですが、手の甲のアーマに関しては、マーク7の時に1軸で折れるように原型を造ったものの、工場の方から強度や組み立ての歩留まり問題があると言われ、現在の軟質パーツになったという経緯も有り、今回も軟質です。
このタイプのアイアンマンは2体目なので、概ね上手くまとめられたかと思います。
リパルサーのエフェクトに関しては前回のマーク7で短長2種1個づつだったのですが、それでは都合が悪い事もあるだろうと、先端を交換して両方ともエフェクトをそろえられるようにしました。(わざわざ交換なのは少しでもコストを削ろうとする試みなのですが、効果の程は原型師の立場では良くわからないです。)
今回は足の付け根がボールジョイントになっているのですが、原型時には前回同様軸可動だったのが、山口さんの発案で大型のボールジョイントを試しに仕込んでみることになりました。
前回のマーク1において、箱には原型の私以外に山口さんと大津さんの名前がクレジットされていますが、基本的な可動は私が造った時点で完成しており、製品版でも基本的には同じです。では、お二方は一体どういう作業を主に行ったかと言うと、可動部分のディチューンです。
どういう事かと言いますと、あの当時、既に中国での生産コストがかなり上がっており、私が造った原型は動きそうな所はほとんど可動するように造ってあったため、あまり効果的でない部分を一体化したり、可能な所は可動を廃して軟質にしたりしてコストを抑えてかつ、見た目はほとんどレベルダウンしないようにという難しい仕事を行ったのです。
今まで海洋堂は比較的に原型師個人の個性を尊重する傾向が強く、上がって来た原型をなるべくそのまま製品化するというのが主流だったのですが、昨今の環境の変化もあり、現在は複合的体制で製品開発するようになって行っている感じがします。
現在、中国での生産コストは高騰の一途であり、いずれ採算が合わず使えなくなる日がかなり近くまで来ているのは確かなのですが、他の国に移るにしても技術が未熟な為に難しく解決策は無いのが実情です。もしかしたらあるのかも知れませんが、この業界自体それほど大資本を持っているわけでもないので、多くのメーカーは能動的に動くのは困難だと思われます。
こういった流れはもう何年も前から判っており、病気でしばらく一線を離れざるをえなかったのは痛恨の極みですね。その間に5体6体特リボのラインナップが増やせたかもしれないので。
不調の間に価格はどんどん上がって行き、出せたはずの物が売れ行きの懸念からどんどん候補から消えて行くわけで、今年はもう定価5000円を越えそうな勢いです。
原型師の立場で出来る事は限られており、コスト削減の為に色々やってはみるものの、それが果たしてどれほどの効果があるかははっきりしません。
萌え系フィギュアは値段は上がりつつも、売れ行きにはまだまだ余裕が有り、しばらくは何とかなる感じですが、私がやっているようなジャンルに関してはお客さんの絶対数の関係であんまり分がいいとは言えません。また、人気のあるキャラクターは権利の関係で使えない事があったりするので…某巨大ロボットもやるはずだったんですがねぇ。
リボルテックと言うフォーマットは癖はあるものの、工夫すればまだまだ通用するし、素材自体の特性からプラや金属では出せない利点が多く存在するので、もっと続けて欲しい所ですが、それも今後の価格上昇にお客様が付いて来てくれるかにかかっています。
フィギュアと言うものは原型師1人の力で出来ているわけではないので、思い通りにはなかなか行かないのですが、知恵をしぼってなるべく長く続くように頑張ります。
とりあえずしばらく何年か硬いものばっかりだったので、柔らかいものもやりたいのですが、センム。
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